民主主義のメリットとデメリットとは?原則や種類を徹底解説!

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今回は民主主義について解説します。

民主主義は古代ギリシャに始まり、中世ヨーロッパでの改革が影響した非常に多くの原則によって成り立つ国民主体の政治原理です。

今回は民主主義の原則や種類、メリットとデメリットを詳しく解説します。

民主主義とは?

民主主義とは

民主主義とは政治原理の一種であり、英語では「democracy(デモクラシー)」といいます。

これは古代ギリシャで考案された政治原理であり、国民が主権を持ち政治に参加することで国を動かすシステムのことを指しています。

民主主義では国民が直接政治に参加する「直接民主制」と国民の代表によって政治が決まる「間接民主制」の2つがあります。

古代ギリシャで考案された民主制は直接民主制でしたが、今ではほとんどの民主主義国が間接民主制を採用しています。

理由は人口増加に伴って全ての人が直接政治に参加することが難しく、また直接民主制は意見を束ねるのに時間を要するためです。

社会主義・共産主義との違い

社会主義・共産主義は主に経済システムに関する思想で、資本主義(capitalism)に対して作られた思想のことです。

社会主義は個人における財の所有と自由主義経済に反対し、社会による生産手段の共有をはかるものです。

これにより富を再分配し、全ての人が平等な社会を作ろうとする考えに基づいています。

対して共産主義は社会主義と同じ思想と目標を持っていますが、共産主義では政府の介入を必要とせず国民の能力に応じた労働に対して分配を受けることができるという仕組みになっています。

共産主義は平等な社会が実現された状態を表しており、社会主義はそれに向けた状態の社会を指しています。

民主主義の原則

選挙の4原則

間接民主制をとる民主主義国において選挙は民意を束ねる非常に重要な仕組みです。

日本では「普通選挙」「秘密選挙」「直接選挙」「平等選挙」の4つの原則があります。

普通選挙 納税額や財産、性別に関わらず満18歳以上の国民全てに選挙権が与えられる。
秘密選挙 自由意志に基づいた投票を保証し、国民の誰が誰へ投票したのかを秘匿する。
直接選挙 国民自身が選挙によって議員を選ぶ形をとる。
(内閣総理大臣については国民ではなく議員が選ぶ間接選挙の形をとっている)
平等選挙 有権者は平等に投票権を持ち、投票権に偏りがないようにする

法の支配

法の支配とは国家が民意を無視して権力行使をすることがないように法で定めることを意味しています。

法の支配は「憲法を最高法規とする」「人権の保護」「適正手続と内容の公正さ」の3つから構成されています。

それぞれ以下で解説します。

  • 憲法を最高法規とする
    これは憲法よりも効力の強い法律や憲法に反する内容の法律を認めない、ということを意味しています。
    憲法が最高法規でなければ国家体制が簡単に変わってしまう危険性があります。日本では日本国憲法第98条によって規定されています。
  • 人権保護
    人権は中世ヨーロッパで提唱された、人間が生まれつき持っている幸福を追求する権利のことです。
    憲法は人権の永久不可侵性を保証しており、誰も人権を損害することはできないと定められています。
  • 適正手続と内容の公正さ
    新規に法律を作成する場合は定められた手順によって行われ、その経過は公正かつ透明性を持ったものでなければならないとすることです。

これら3つが成り立つことで、国家の権力が法で拘束されて民主主義を成立させます。

三権分立

三権分立とは中世ヨーロッパにおいてルソーが唱えた仕組みで、国家権力を「立法権」「司法権」「行政権」の3つに分け、それぞれ別の組織へと委ねる仕組みを指します。

日本では立法権は国会、司法権は裁判所、行政権は内閣へと分けられています。

これにより国家が民意を無視して行動することを防ぎます。

民主主義の種類

民主主義には直接民主制と間接民主制の他に、より個人の自由を重要視する「自由民主主義」と宗教を基軸とする「宗教民主主義」があります。

また社会主義も民主主義の一つとされています。

民主主義のメリット

独裁者による支配を防げる

民主主義は国民によって政治が動くので、単一の人間による国の暴走を防ぐことができます。

これを独裁政治と言いますが、独裁政治は国家権力が一人の人間に集中することで迅速な意思決定を行うことができます。

その反面独裁者の思想によっては国の方向性が悪い方向へ行ったとしても誰も止める手段を持たない、という点が挙げられます。

民主主義はこうした独裁主義を国民全員が政治に参加することで防ぐことができます。

平等な社会を目指せる

民主主義では国民に平等の選挙権が与えられ、政治へ参加していくことになるので平等な社会を目指すことが可能です。

国民が政治への当事者意識を持つことができるので政治の良い案が出るケースが高まります。

また政治に関しても有権者が全員政治に参加することで公開性が高まるほか、最新の民意を反映することが可能です。

言論の自由がある

民主主義において政治を行う際は、言論の自由がないと政治に関して自由な発言ができません。

そのため独裁の場合を除いて民主主義においては言論の自由が保証されていることがほとんどです。

独裁政治の場合は支配者の考えによっては言論の自由が認められない場合があります。

民主主義のデメリット

意思決定に時間がかかる

民主主義は有権者全員で政治を決めるので、一つの政策を打ち出すのに時間がかかります。

そのため迅速な対応が迫られる時(自然災害や敵国からの攻撃など)は対応が遅れてしまう危険性があります。

直接民主制に限らず、有権者の考えを束ねるということは違う意見も取り入れることができる一方で話し合いの時間を相当数設けなければいけないということがデメリットです。

衆愚政治の危険性

古代ギリシアは民主制を作り、世界でもいち早く直接民主制による政治に成功しています。

ですがその後、政治は衆愚政治へと陥ってしまいました。

これは有権者たちが各々の利権や偏見に基づいて政治へ参加することで、議論を停滞させ合理的な意思形成に失敗してしまう事例です。

また一部の知識人による詭弁や利益誘導を行うことで民衆を先導し、不利益な意思決定をしてしまう事例も衆愚政治にあたります。

民主主義は有権者の考えを反映させることができる反面で、扇動や詭弁に弱いというデメリットがあります。

まとめ

今回は民主主義について解説しました。

民主主義は現在でも多くの国々に採用されている国家の政治原理ですが、その是非については今も議論の余地があり問題を抱えています。

民主主義・独裁主義のどちらが良いか悪いかは国の状況によって左右されることもあり一概に決めることはできません。

民主主義が抱えている問題点について考えることは今の政治構造について考え直すことの第一歩だと思います。

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